インドネシアで、日本からの中古KRL導入が再び具体化しています。2026年9月23日に開かれたPT Kereta Api Indonesia(KAI)とインドネシア国会のDPR第VI委員会との会合で、KAIが提示した日本からの中古KRL輸入案について、輸送力を確保するための暫定策として委員会が同意しました。
この動きを受け、XでもDPR第VI委員会がKAIによる日本からの中古鉄道車両の輸入再開を認めたことが伝えられ、注目を集めています。
【速報】インドネシア国会(DPR)第VI委員会が、インドネシア国鉄(PT KAI)による日本からの中古鉄道車両の再輸入を正式に認めました。 pic.twitter.com/tdgBX5UFh5
— デスタサトリア(◠ڼ◠)🇮🇩🇺🇦🇵🇸🍉🌹 (@DS64____) September 23, 2026
KAIが今回示した計画は、中古KRL23編成を日本から導入するというものです。内訳は12両編成(SF12)が7編成、8両編成(SF8)が16編成で、ホームが12両編成に対応していない駅が残ることから編成長を分けています。KAIはこれらを約10年間使用する計画を示しており、国内でのKRL生産能力が需要に追いつくまでの「移行期間」を補う位置付けとしています。新品の輸入ではなく中古車を選ぶ理由についても、新造車を海外から大量に調達すれば国内メーカーであるPT INKAの生産機会と競合するためと説明しています。
背景には、KRLの更新需要と国内新造車の供給ペースがあります。同日のDPRでの説明によれば、INKAに発注した新型KRL iE305/CLI-225の16編成のうち、KAIが受領しているのは7編成で、9編成は当初計画から1年以上遅れているとされています。受領済みの7編成についても2026年9月には一斉に点検・整備が行われており、KAIとINKAが順次営業運転への復帰を進めています。一方、中国CRRC製の新造KRL11編成については、すでに全編成が到着し営業に使用されています。
KAIは既存車の中に製造から40年以上経過した車両が残っていることも説明しています。また、2040年までに必要となるKRLを260編成としており、現在のJabodetabekだけでなく、今後の電化計画を含む車両需要を見込んでいます。今回の中古車導入は、こうした長期的な増備をすべて中古車で賄うものではなく、INKA製車両の増産までの不足を埋める案として提示されています。
日本の中古KRLをめぐっては、2023年にもKAI Commuterが導入を計画しましたが、当時のインドネシア政府は中古KRLの輸入を認めず、新造車の導入や国内生産を進める方針となりました。その後、INKA製新型車の発注や中国製新造車の輸入が進められたため、今回のDPR第VI委員会での同意は、約3年前に実現しなかった中古車導入が再び具体的な選択肢として示された点でも注目されます。
鉄道ファンにとって、日本の中古車とジャカルタのKRLは長い関係があります。KAI CommuterではJR東日本の203系・205系や、東京メトロの05系・6000系・7000系などが使用されてきました。特に武蔵野線で使用されていた205系は、2020年までに同線用42編成がインドネシアへ譲渡されています。現在もこうした日本由来の車両がKAI Commuterの車両史を構成しており、「日本から中古車を輸入する」という今回の方針は、かつて長く続いた車両調達方法が復活する可能性を示すものです。
ただし、9月23日時点で確認できる発表・報道では、今回の23編成について日本側の譲渡元事業者や具体的な車両形式は明らかにされていません。DPR第VI委員会がKAIの提案に同意した段階であり、実際の調達先や輸入手続き、搬入時期なども今後確認すべき点です。日本のどの車両が対象になるのかを含め、具体的な調達内容の公表が次の注目点となります。

